SNSで生じる法律トラブル!気づけばあなたも被告人
こんにちは!
昨今、「悪ふざけ投稿」や「万引き動画」などが話題となっていますが、安易な気持ちで違法な行為をしてしまったり、誰かに対して被害を与えたりするケースが増大しているように感じます。ITリテラシーもそうですが、ちょっとした法律知識ももっていないと、大きく人生を狂わしてしまうおそれもあります。
大学は法学部で法律を学んでいて、さらにはインターネットを用いたビジネスも多少やっていたので、その視点から述べたいと思います。
そこで今回は、SNSを利用する上で知っておきたい法律問題を書きたいと思います。
特につぎの3つのトピックを今回紹介します!
①そのプロフィール画像大丈夫??
②匿名の裏に隠された実名
③その”つぶやき”が人生を狂わす
①そのプロフィール画像大丈夫??
TwitterやFacebookなどはプロフィール画像を自由に選択できる特徴があります。いわば、ユーザーのアイデンティティと示す自己表現の一種でもあります。
1度くらいはイケメンや美女のプロフィール画像のアカウントをみつけたことはあると思います。そこは気になって投稿内容まで気になってしまうもの・・・
さて、その画像が本人のものであればかまわないのですが、他人や他人が制作したキャラクターなどを用いてしまった場合どうなるのでしょうか?
たとえばアニメなどのキャラクターをプロフィール画像に設定した場合。
Twitterを利用している方は頻繁に目にしていると思いますが、こうした画像を利用したときは、どのように法律に関わってくるのでしょうか。
著作権法という法律があります。おそらく耳にしたことはあると思います。
この法律によるとアニメのキャラクターなどを掲載したり転載することは禁じられています。さらにはそのキャラクターを改変して、自分で制作したものを掲載することも禁じれています。
ポイントは他人の著作物(キャラクター、ストーリー)をどのような形であれ、SNSで利用することは禁じられているということです。
つまり、アニメのキャラクターをプロフィール画像に設定していた場合、その著作権を持っている企業や個人から、使用中止をくらうことがあります。
これで済めばまだいいですが、損害賠償の請求がくることもあります。特にSNSは誰でも見ることができるという性質上、かなりの影響力があると考えられます。そのため、個人利用とはくらべものにならない程の額が請求されることもあるでしょう。
②匿名の裏に隠された実名
基本的にSNSは匿名で利用すると思います。Facebookは実名ですが、実名と異なった姓名をつけることも可能ではあります。
匿名であることは安全といえるのでしょうか?
おそらく多くの方が安全ではないだろう・・・とは認識していると思います。しかし、もし問題が発生したらどこまで個人情報が公開されるかを知っている人は少ないと思います。
そこでどれくらいの個人情報が公開されるリスクがあるかを説明します。
たとえば、SNSで特定の誰かを誹謗中傷した場合。
もっと具体的に考えると、Aさんという人がBさんという人の悪口(「キモい」「死ね」など)をSNSで投稿したケースでは、どうなるか?
まず、Bさんからの訴えにより誹謗中傷したAさんのIPアドレス(スマホやパソコンといった端末を識別するアドレス)を開示するようSNS運営会社に裁判所は命令する判決をするでしょう。
※過去にもFacebookで誹謗中傷した人物のIPアドレスをFacebook社に開示するよう命令した判決があります。(参考:2014/10/21 日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG2100M_R21C14A0CR0000/)
IPアドレスが判れば、プロパイダに対し氏名や住所の開示を求めることもできます。
つまり誹謗中傷をすると最終的には氏名や住所といった個人情報まで特定され、名誉棄損による慰謝料を含んだ損害賠償が請求されるといったことになるのです。
③その”つぶやき”が人生を狂わす
さて、みなさんはイライラして根拠のない悪口などを投稿したことはありませんか?
もちろん特定の誰かだけでなく、企業や店舗などに対して「あの店の店員は頭がくるっている」とか「あの企業はブラック企業だ」などと言った内容です。
僕もSNSを利用しているので、こうした投稿は珍しいことではないと思っています。自由に思ったことを投稿できるといった性質上、ある程度はしようがないでしょう。
しかし、特に企業や店舗は評判によって営業に大きくかかわってきます。悪い情報が流れれば、売り上げが激減し倒産の危機に瀕することもありえると思います。
では仮に企業に対する悪口をSNSで投稿したら、その企業はどのような対応をしてくるのでしょうか?
②のケースと酷似しますが、今回は企業視点で見ていきましょう。
まず企業は、1.その投稿によって権利が侵害されたことが明らかであり、2.投稿者の情報が損害賠償を請求するのに必要であるなど、開示をうけることについて、正当な理由があれば、投稿者に対して損害賠償を請求できます。
(※参照 総務省プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト)
このように、企業はプロパイダ責任制限法という法律で、上記のポイントに該当するときは投稿者の情報を取得することができ、さらには損害賠償を請求することができるのです。
特に企業がこうした投稿によって受けるダメージが多大なので、その賠償金の額は破格になる可能性があるでしょう。
まとめ
以上みてきましたが、SNSで生じる問題はこれだけではありません。
しかし、多くの場合は常識的に考えて大きく逸脱してないかぎり、問題化しないはずです。なので、投稿の際には、道徳的・常識的にどうなのかをしっかり判断して書き込むように注意してください。
ただSNSの便利さに慣れて、感覚がマヒしてしまうこともあるので、時々こうした話題について新聞やニュースサイトで調べるなどといったリスク管理をしておくことをおすすめします。
特に時代の変化に応じて、裁判所や法律の解釈も変わってくるので気づきたら被告人に・・・といったこともありえます。
十分注意して利用してください。
それではまた。
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※免責事項
なお、ここで述べたことはあくまで一般論であり、特定の組織・個人に対するものではありません。当該記事で書かれた内容は、SNSという流動性の高い媒体の性質上、2015年2月2日時点での状況、法律問題を話題としているのであり、今後はどのような制度に変化するかは不明です。そのため、SNS上で起きたトラブル等は自己責任で対応願います。SNS上で生じたトラブルに関して当サイトは一切責任を負いかねます。