新規ビジネスを仮説思考で成功させるには
こんにちは。
世界の経営思想家トップ50(Thinkers 50)に選出されたビジャイ・ゴビンダラジャン氏という方をご存じでしょうか。
彼は戦略とイノベーションの領域で世界的な専門家であり、彼がクライアントとしてきた企業はグローバル企業ばかりです。著名なところだと、コカコーラ、HP、IBM、ソニー、ウォルマート、ニューヨーク・タイムズ、P&G、ボーイング、GEなどです。
今回、ビジャイ・ゴビンダラジャン氏の著した『世界トップ3の経営思想家によるはじめる戦略』(クリス・トリンブル共著、花塚恵=訳)という本を読みました。
物語の形式で、イノベーションや新規事業立ち上げに伴って発生する諸問題を解決する方法について描かれています。
今回は本書を読んで得た気づき、そして最近学んでいる仮説思考について書きたいと思います。
新規ビジネスは実験である
新規ビジネスはその時点で利益が出るか、出ないかはわかりません。ただ多くの場合は、利益が出る可能性が高いという判断により新規ビジネスを立ち上げたのだと思います。
つまり、最初の段階では利益が出るかどうかという実験でしかないのです。
科学者はまず仮説を立て、実験の結果を検証・分析し、自分の仮説が正しいと証明します。
ビジネスのアプローチもこれと全く同じなのです。新規ビジネスを立ち上げた段階でプランという仮説を立てます。最初の段階ではどのような手段を用いるかすら明白ではないはずです。しかしプランを立てない経営者はほとんどいないと思います。これはなぜでしょうか。
それはプランに基づいて行動してみた結果、それが失敗だとしてもその失敗から学ぶことで再び挑戦することができるからです。
Aというアプローチが失敗だったなら、その失敗を分析します。分析結果によって、Aを改善したA‘というアプローチにするのか、Bという全く違ったアプローチを用いるのかという方向性が変わってきます。
そのため、こういった仮説検証プロセスを回転させることでビジネスを成功に導きます。これは世間的に仮説思考と呼ばれるものです。
コンサルタントが用いる手法として有名ですが、イノベーションを起こす際にも使える技能なのです。
本書から学んだことで最もインパクトがあったのは、まさにこれでした。
発明王・エジソンに学ぶ
プランには忠実に従う
あとがき
意外と知らない業界・企業研究の方法
ライバルはこれだけ対策している
まずは森である業界知識から
まずは森である業界の知識を深めましょう。真っ先に取り組むべきは、業界の内容を解説している書籍で勉強することです。
ポイントとしては、解説書を何冊か用意したほうがよいということです。
なぜなら、業界の業務内容は膨大なものの社員が関われる部分は非常に細かなものが多いからです。つまり、著者の経験や取材では偏りが出てしまう可能性があります。
また、会社の業務内容を全体的に見ておくと良いと思います。例えば、外資系金融の投資銀行部門を志望している場合でも、マーケット部門の業務内容を知っておくのは比較の上で重要です。
この部分はできればエントリー以前には完了させたいところです。会社説明会の段階までにこうした知識を身につけていると質問の幅が広がるからです。
キレの良い質問を繰り出すことで、場合によっては特別ルートに乗せてもらえる可能性もあります。
つぎは木である企業研究をする
業界知識が深まったところで、つぎは森から木へと移りましょう。木とは個々の企業のことです。この段階は面接が始まる前に完了しておきましょう。
企業研究の方法としては次の3点をおすすめします。
①OB訪問
実際に企業の社員に聞いてみることで具体的な業務内容をイメージすることが可能になります。
ちなみにOB訪問とは希望する企業にいる自分の大学の先輩に時間を取っていただき、質問やお話をする機会を設けてもらうことです。
同じ業界であっても、企業ごとに主たる収益源が異なったり、業務内容が大きく異なったりします。こうした違いは外からは見えにくい部分でもあるので、直接当事者に聞いておくことで企業ごとの比較材料にしましょう。
②コーポレートサイトで調べる
企業の情報を採用ページなどで見る場合が多いでしょうが、就活生向けに書かれているため事業内容が今ひとつわからないことがあります。
そんなときに企業のコーポレートサイトを見て情報収集するのをおすすめします。ここは、企業の顧客や投資家向けに書かれているのでサービスや事業内容が具体的にわかりやすいという利点があるのです。
おもに外部の人に見てもらうことを 目的としているため、比較的かんたんに解説している場合が多いからです。
企業の強みや事業内容はコーポレートサイトを使って研究しましょう。
③IR情報を活用する
まとめ
業界研究 - 書籍を用いる
企業研究 - OB訪問 / コーポレートサイト / IR情報
こういった方法を用いれば企業が求める条件をクリアできると思います。
何より、業界や企業の研究をしっかりすることで企業に対し熱意やポテンシャルを示すことができます。
いくら口で第一志望と言っても、会社について何も知らない人では信用できないからです。
ぜひ全力で取り組んでください。
それではまた。
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就活における面接で質問されるのはたった2つしかない
⑴あなたが企業に入るべき理由を問う質問
⑵企業があなたを雇うべき理由を問う質問
まとめ
就活で出会ったコンサルタントの共通点
こんにちは。
僕は来年度よりコンサルティング会社に就職することが決まっています。
コンサルタントになることが第一志望だったので、非常に嬉しい限りですが、就職先から内定をもらうまでは数多くのコンサルティング会社の選考を受けました。
そうしたなかで、およそ40~50名ほどの現役コンサルタントの方とお話しする機会に恵まれました。
新卒3年目の方もいれば、すでに役員クラスになっている方もいました。しかし、年次や所属企業に関係なく、彼らには共通した要素があることに気づきました。
今回は就職活動を通じてお会いしたコンサルタントの3つ共通点を紹介したいと思います。
①仕事が大好きである
コンサルタントの方に仕事に関して尋ねると、過去の仕事の成果や工夫を嬉しそうにお話ししてくれます。苦労した経験も笑い話として教えてくれることが多いです。
世間的なコンサルタントのイメージというと、寝る暇もないほど長時間労働であったり、責任からくるプレッシャーが凄まじいといったものでしょう。そのため過酷な環境を強いられていて、辛い日々なのだろうと思っていました。
お会いした方々の話でも、そういったイメージはおおかた正しいようです。しかし恐るべきことに、そういった状況にあったことを嬉々として語ってくれます。
「確かに大変だけど、成果が出たときの喜びは何ものにも代えられない。だから、それに至るプロセスも楽しくてしょうがないんだよね。」
とあるコンサルタントは、お酒を飲みながらこのように言っておりました。
本当に仕事が大好きなんだなと感じた一瞬です。
②何事も自主的に行動する
コンサルタントに共通するポイントとして何事も自主的に行動するという点があげられます。
たとえば、飲み会であったりディナーであったとしても積極的に人を巻き込んで企画する人が多く感じます。さらには、どんなに忙しくても深夜2時から飲みに行くいう方もいたほどです。
もちろん食事だけでなく、勉強であったり仕事であっても自分から動くという人が非常に多いと思いました。自主的に動くからこそ、言い訳をすることなくすべてに全力に取り組むのでしょう。
確かに仕事が大変で疲れているはずなのに、いきいきとしている人ばかりでした。人を巻き込むという積極性だけでなく、彼らはそうしたスタンスから人を魅了しているのではないでしょうか。
③超・論理的である
コンサルタントはロジカルに物事を考えるというのは良く耳にします。
しかし、コンサルタントの方とお会いする以前は、どれほど論理的なのだろうと疑問を持っていました。そんなに事細かに論理性を気にしていないだろうとさえ思っていました。
では実際にお会いしてみてどうだったのでしょうか。
一言でいえば彼らは超・論理的でした。具体的には、会話をしていて矛盾点があると指摘されます。しかも、彼らはそれが当たり前なので悪気など全くないのです。
そのため僕は余計にあせり、底なし沼と言わんばかりの論理的矛盾をつぎつぎに披露してしまい、幾度となく自爆してしまいました。後からわかったのですが、きちんと頭で考えてから発言するというのがコンサルタントの基本スタンスらしいです。
これは非常に勉強となりました。
あとがき
以上が僕が気づいたコンサルタントの共通点です。
もちろん実際に肩を並べて働いたわけではないので、どちらかといえばコンサルタントの第一印象に近いのかもしれません。
しかし、第一印象であっても「この人はコンサルタントなんだな」と思わせる言動がいくつもありました。
僕自身もこういった方々になれるよう邁進したいと思います。
それではまた。
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コンサル1年目に必要なもの
こんにちは。
先日、書店でとある本をみつけた。
それは大石哲之さんの『コンサル一年目が学ぶこと』という本だ。
この本は外資系コンサルが1年目に学ぶベーシックスキルを厳選して紹介している。コンサル的なスキルであるロジカルシンキングや仮説思考を解説するビジネス書とは異なり、コンサルが1年目に学ぶスキルをリストアップし著者自身、さらには多くのコンサルタントの体験談とともに紹介しているところに新しさを感じた。
僕自身、来年度よりコンサルタントとして働く身であるが、コンサルが学ぶスキルがどのようなものかは想像ができない部分もある。そこで本書のような1年目が学ぶスキルをある程度、俯瞰的に知ることができるのはありがたかった。
本書を読んで、僕なりにコンサルが1年目に必要なもの、特に重要だと思った3つのことを紹介する。
1.スキルは前提である
書店に行くとコンサル的なスキルを解説したビジネス書を数多く見かける。ロジカルシンキングや仮説思考が代表的であろう。
コンサルになるとこうしたスキルが身に付くのは当然だろうし、それに魅力を感じてコンサル業界に進む人もいるはずだ。
しかし、コンサルタントの目的はクライアントの利益を追求することであるため、こうしたスキルが身に付いていて使えるのは最低条件である。つまり、コンサルに行くとこうしたスキルが身に付くというより、使わざるをえない環境にあるということだ。
つまり、ロジカルシンキングや仮説思考は常日頃からトレーニングしておくべきなのだ。そう考えると、コンサル業界に限らずとも習得することはできるだろう。
ただ、コンサルであれば有能な先輩が多かったり、こうしたスキルを使わざるをえない環境に置かれるため、嫌でも習得できるという点には留意をすべきである。
2.コミットメントに尽きる
コンサル1年目が特に意識すべきなのはクライアントにコミットメントすることである。
コミットメントとは、いわゆる約束のことであるがコンサルと普通のサラリーマンではその責任感や意味合いが大きく違うように感じる。
なぜならコンサルはクライアント企業にお金を出してもらっているからだ。つまり、クライアントはコンサルに約束を守ってもらわないと大きな損失になってしまうのだ。自社の新入社員のように「次から気をつけろ」では済まされない。
そこでコンサルはクライアントとの約束に絶対的にコミットするべきなのだ。期限を必ず守る、頼まれた資料を必ず作成する、コミットメントするということは意識の問題であるため1年目でもできることだ。
頼まれた仕事を必ずやり遂げる。そうした積み重ねが信頼を築くのだろう。
3.自分の武器を見つける
コンサルはチームで行うのが基本である。そのため、個々が自分の強みを発揮することでチームとしての生産性を高める。
ここから、チームで戦力として認められるには自分だけの武器を見つけることが必要であるとわかる。
この点は大いに共感できる。
僕がアルバイトをしていた際、すべてのスキルを平均的に高めてはいたものの評価は月並みであった。しかし、ひとつの部分で突出した才能、つまりは自分の武器を発見したことで一気に評価が高まったのである。
どの仕事でも言えることなのかもしれないが、これを頼むなら〇〇君という信頼を勝ち得ることが第一優先なのだろう。特にプロフェッショナルであるコンサルでは、この部分を強く意識して仕事に取り組むべきである。
まとめ
1.スキルは前提である
2.コミットメントに尽きる
3.自分の武器を見つける
以上の3点がコンサル1年目が特に意識すべきだろうと本書を読んで感じた。またここでは紹介しきれないくらい気づきを得ることができた。なにより、コンサルとして働くことが楽しみで仕方ない。
コンサル企業に入社する人は是非とも読んでほしい一冊だ。
それではまた。
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成功するためのシンプルな法則
こんにちは。
先日、整理屋の創始者であるTASKさんとお話してきました。
整理屋とは、もやもやとした頭の中にある悩みや思考を整理し解決へと結びつけるサービスです。(詳しくはコチラ→人生がときめく整理屋の魔法)
最近、やるべきことが多くなり物事の優先順位だったり、何をすべきかが見えなくなっていました。そのため、全てにおいて停滞していたのです。
TASKさんに思考を整理していただき、何をすべきかが明確になり、さらには成功するための法則を自分の経験から導くことができました。
今回は、成功するためのシンプルな法則を紹介します。
成功するにはこのサイクルを回転させる
世の中には様々な成功法則があふれています。
自己啓発本でこういったことを学んでもよいですが、実は書かれていることに大差はありません。特別なおまじないや魔法のランプのこすり方を学ぶ必要もないのです。
それでは成功する法則とはどのようなものか?
それは実践→検証→改善のサイクルを繰り返すことです。
僕は何かに成功したとき、このサイクルを回転させていたことに気づきました。例えば、大学受験では成績を上げるために勉強法を模索していました。
そこでは、勉強法を実践する
→模試や過去問で結果を検証する
→結果に応じて、勉強法を改善する
この繰り返しにより、大学合格という成功につなげることが出来ました。
それでは、実践→検証→改善のサイクルを要素ごとに解説します。
①実践フェーズ
まずは実践フェーズです。
目標を達成するためには、さまざまな手段の中から最適なものを探し出さなくてはなりません。しかし、その道の素人であった場合どのような方法が正解かはわかりません。
そのため、まずは自分で「こうすれば上手くいくのでは?」という仮説を立てましょう。そして仮説を実現するには何が必要か考えます。
ここで大学受験を例にとってみます。
当然ながら目標は大学合格です。合格には、すべての教科で90点以上を取得すればよいという仮説を立てました。それを実現するには1日6時間勉強すればよいと判断しました。
このように仮説にもとづいた実行内容を検討し、まずは取り組んでます。
悩むより動いてみる。実際にやってみなくては正解かもわからないからです。
上の例では、1日6時間の勉強もまずはやってみるのが大切です。そうすることで、6時間じゃ足りないだとか、8時間くらいできそうだという発見があるのです。
②検証フェーズ
次は検証フェーズです。
ここでは、自分の仮説が正しいのかという検証を行います。そのため実践している結果を測定する必要があります。
例えば、大学受験では模試や過去問を活用することで実行内容の成果が出ているかを判断します。もし、効果があまり出ていないのならば仮説が間違っている可能性があります。
また、仮説立てをする際にはそのように結果を測定するかをあらかじめ考えておくことがポイントとなります。もし、測定する方法を設定していない場合なにが敗因かという判断ができなくなってしまいます。
③改善フェーズ
最後は改善フェーズです。
実践し検証してみた結果、その方法ではうまくいかないというデータが検出されました。そこで検出されたデータから何がダメなのかを考えます。そこから最初の方法を改善していきます。
大学受験の例では、6時間の勉強では成績がそこまで上がっていなく、このままでは合格できないという結果が模試から得られたとします。そこで、最初に立てた6時間の勉強を時間、内容、集中力などといった観点から分析します。分析によると、勉強内容が偏っていたと判明しました。そこで勉強時間はそのままに、勉強内容を改善します。
以上のように、結果から最初の方法の間違っていたポイントを様々な角度から見てみることで改善していきましょう。
あとがき
以上のように、シンプルながらも効果的な成功法則を紹介しました。
僕自身この方法をいろいろな場面で活かしていこうと考えています。
それではまた。
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