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たかがバイトでビジネスの本質を知るには

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こんにちは。


僕は現在、世界的ファーストフード店のM社でマネージャーとしてアルバイトをしています。

マネージャーとは店舗運営の責任を持つ経営的立場であり、1店舗に正社員が2人程度しかいないM社においては、かなりの責任感と裁量権を持ちます。


今回はたかがアルバイトであってもビジネスの本質を知った経験談を書きます。



地位と権力は逃げ場のない牢獄


マネージャーとして僕は普段の店舗運営やセールス達成はもちろんのこと、従業員の育成や評価も行っています(企業でいう人事部のようなもの)。

従業員に対して給料をあげることもでき、好きなように人員配置もできる。

アルバイトにして絶大な権力と地位があると言えます。


しかしながら、その実態はタイトルにもあるように逃げ場のない牢獄だと感じます。

従業員のミス、本社の意向などの責任は現場監督者である我々が負います。客からは「ふざけんな!」「おかしいだろ!」は当たり前に言われます。

(昨日も問い合わせが3件ほど。笑)


もちろんお金を頂いてサービスを提供している以上、文句や不平を言われるのは当然とも言えます。(しかし、従業員の対応不良や本社によるサービス改悪等の文句を言われることは、筋が通らない気もします。)


また、店舗運営を成功させるためには従業員のモチベーション維持を常にしなくてはなりません。

ドラッカーのマネジメントには「従業員もまた顧客である」と記されていますが、まさにその通りだと思います。

特定の誰かをひいきするのではなく、絶妙なるバランス感覚を持って従業員とコミュニケーションを取る。まさに店舗全体の空気感を演出するのです。


そのため、お客さん、従業員の間に立つマネジメント層は板挟みの状態であり逃げ場のない牢獄だと感じます。

よく言われる「経営者は孤独である」という言葉はその通りでしょう。

こういった孤独な経営者の気持ちが痛いほどわかるからこそ、コンサル会社を志望したという理由もあったりします。




社会の歯車になるということ


M社はファーストフードの代表格として世界中の人々の生活に溶け込んでいます。


お客さんはM社をどこにいても同じクオリティ、同じサービス、同じ価格帯で食事をできる存在として認識しています。

そこが強みでもあります。


しかし期待値がそれなりにある分、お客さんの気持ちの変化にも責任を持ちます。


つまり、食事が美味しく快適な空間を提供できればお客さんの笑顔や喜びにつながるのです。逆に言うと、味が薄いとか塩辛いとか店が汚いとか何らかのトラブルがあった場合、お客さんの気分を損ねてしまいます。


働くことの醍醐味、社会の歯車になるということはこういうことなのだと思います。

1日数百人と訪れるお客さんは、僕らから見れば大多数のうちの1人です。しかし、お客さんから見れば3度の飯の1回なわけです。

少なからずお客さんの人生にインパクトを残すことになる。

たかが数分の店舗での体験がお客さんの喜怒哀楽を左右し、人生をも左右してしまうのです。



下っ端ではわからない本質とは


新人の頃は意味もわからないマニュアルやルールに憤りを感じました。


「なんでスマイルしなきゃいけないんだよ(0円じゃねーよ)」「面倒なメニューばかり増やしやがって(なにがアメリカンだよ)」などなど。笑


しかし、一度上の立場になり社会の歯車であると実感したことで、その意味がわかりました。

稲盛和夫さんも仰っていますがビジネスの成功に必要なのは「利他の心」であるのだと。

つまり、お客さんを喜ばせることがビジネスの成功につながるのだと言うことです。

ちょっとした笑顔、手の込んだメニューはお客さんが気持ちよく、さらには美味しく食事ができるようにするためなのです。


馬鹿らしいかもしれませんが、週4回ほど来る僕の店の常連さんは、その度に500円の商品を購入します。

年間52週あるとして、1週間に2000円。つまり年間で10万円も払ってくれているのです。


M社のような大企業からすれば大したことないでしょうが、ベンチャー企業や中小企業の感覚から言えば、相当な利益になります。


良くも悪くも社会の歯車になることは、他人の人生に大きなインパクトを与えることになる。

それを常に心がけ、他人の喜びや嬉しさを追求することがビジネスの成功にもつながるのだと。


今後のキャリアで、ぜひ意識したい事柄だと思います。



あとがき


よくビジネス書に「経営者の立場になって働くべき」とか書かれていますが、やはり上の視点と下の視点は大きく異なると思います。


上の視点に立ったことで初めて全てのルールやマニュアルの意味が理解できました。

2007年から始めて今年で8年目なわけですが、やっと本質に辿り着けたと思います。


もし身近にマネジメント層(上司やリーダーや先輩など)がいたら、彼らの苦悩をわかってあげてください。笑

思った以上に悩んでるはずです。
彼らに必要なのは、理解と行動です。笑



それではまた。






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